第297話カイアのために

「悪くないわ。『楽しむ』って、どういう意味?」

エミリーは戸惑ったようにカイアを見た。

カイアは微笑み、さらに顔を寄せて、エミリーの顔を左から右へと眺め回した。「肌、ほんとにきれい。でもね、体験してみればわかるわ。ほら、まさか私があなたを売り飛ばすとか、そんなこと怖がってるんじゃないでしょうね?」

エミリーは断ろうとしていた。だが言葉が唇まで来たところで、ふっと何かを思い出し、口から出たのは別の言葉だった。「いいわ。見に行ってみよう」

カイアは、もし断られたらどう説得しようかと考えていたところだった。

スキンケア体験は本題ではない。

このあとに、別の段取りを用意してある。

いつの...

ログインして続きを読む